GomameのTubuyaki Vol.125

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雪の里に眠る 隠れキリシタンの残映 その壱

雪の里に眠る 隠れキリシタンの残映 その壱1

 

 

 今年の4月、2年前に東京・文京区のマンション建築現場から発掘された江戸時代の人骨3体のうちの1体が、鑑定の結果18 世紀のイタリア人宣教師、ジョヴァンニ・シドッティ神父のものである可能性が高いとのニュースがありました。
 なじみのない人物ですが、当時の幕政を担った新井白石の著した「西洋紀聞」は、神父との対話をまとめた書物として有名です。

殉教の伴天連(バテレン)と「親指のマリア」

雪の里に眠る 隠れキリシタンの残映 その壱2

 シドッティ神父は、鎖国後の日本に潜入した最後の宣教師。
 将軍に謁見してキリスト教を正しく伝え、キリシタンへの迫害を止めさせようと志願し、ローマ教皇から日本へ派遣されました。
 屋久島上陸直後に捕縛。
 江戸に送られ、遺体の埋葬されていた切支丹屋敷に幽閉されましたが、世話係の夫婦に洗礼を授けたことが発覚し、1714 年46歳で土牢にて死亡。
 その他の2体はその夫婦ではないかとされます。
 発掘された2014 年は、奇しくも没後300 年でした。
 上の画像は神父が所持していた「親指のマリア」と呼ばれる美しい聖母像。
 悲しみを表す青色のベールの間から、どのような比喩があるのでしょうか、親指だけが描かれています。

かつて隠れ切支丹(キリシタン)ブームがあった

 隠れキリシタンとは、キリスト教に対する1614 年の禁教令以後、仏教徒を装いつつ、弾圧にも棄教せず信仰を続けた信徒
を指すようです。
 最盛期は日本の人口の30%もの信者がいたという説もあるキリシタン。
 長崎や天草だけでなく、全国各地に広がっていても不思議ではないと思われます。
 遠藤周作の代表作「沈黙」が発表されたのが1966 年のこと。
 キリスト教を題材にしたこの小説は、内容の重さにもかかわらずベストセラーになりましたが、ちょうど時を同じくして、立教大学学長を務めた高田茂博士が、1960 年代から70 年代にかけて、全国に残る隠れキリシタンの遺物とされる石仏などの研究成果を発表し、世間に大きな反響を巻き起こしました。

雪の里に眠る 隠れキリシタンの残映 その壱3

中越地方に残る隠れキリシタンの痕跡

 博士の著作「石のマリア観音耶蘇仏の研究」によると、新潟県には北魚沼と東頸城の松之山、西頸城郡青海町の12 体の石像が記載されています。
 また、そのほかにも小国の八王子の石仏もマリア地蔵ではないかと言われています。
 この夏、北魚沼の小出にある名刹円福寺の「隠れキリシタンの地蔵菩薩像」と、十日町市と合併した松之山湯山の松陰寺の御本尊、木造マリア観音を訪ねました。
 土地の方には失礼ですが、特に松之山は交通不便な雪深い場所です。
 しかし、当時は栄えた産業があり、人の往来も盛んで、隠れキリシタンが住むには都合の良い土地柄だったかもしれません。
 禁じられた信仰が今に残る痕跡は?

 次号でお届けしたいと思います。

この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年10月号No.125 に収録した内容です。

o-goshi

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