長岡市中之島赤沼 三沼(さんぬま)の大ケヤキ
刈谷田川の堤防に接する中之島公民館 三沼分館の脇に立つ二本のケヤキの大樹。
その大きい方が、長岡市天然記念物に指定されている大ケヤキです。
高さ14m、幹周囲6.3m、樹齢430年。
箒立ちという樹形で、座敷箒を逆さまにしたような、いかにもケヤキらしい形をしており、老木にしては空洞や傷みも少なく、美しい立ち姿です。
敷地内に設置されている「大欅の由来」の石碑によると、元和4年(1618年)、近くの大六間の村の9戸の農家が、刈谷田川の自然堤防に繁っていたケヤキの下に神社を建てたとありますので、すでに当時も大木だったことがわかります。
神木として大切にされ、明治13年、神社跡地に三沼小学校が開校しました。
90余年後の昭和48年、小学校の統廃合で廃校となり、建物は三沼公民館分館に、運動場は三沼けやきヶ丘公園として桜の名所になっているそうです。
小学校があったころ、校舎から大ケヤキに避難梯子を繋いだことや、ケヤキに登って遊んだこと。
学校に通う子供たちにとって、大ケヤキは身近な存在でした。
三沼の語源は、大沼新田・小沼新田・赤沼の三集落の名前から取ったもの。
刈谷田川と信濃川に挟まれた地名からも、地区の成り立ちが偲ばれますね。
遥か昔、一面の沼地の中の小高い場所に聳えるケヤキの木が鎮守の神木となり、後年その下に小学校が建つ。
地区の人々とともに生きてきた歳月に、樹の寿命の長さが思われます。
上の写真は三沼小学校の閉校記念碑です。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2017年6・7月号No.131 に収録した内容です。