南魚沼市穴地「穴地の一本杉」
穴地は旧南魚沼郡浦佐町にあり、近くには西瓜で有名な八色原が広がります。
国道291号と県道234号がちょうど交差する地点に立つ一本杉は、穴地の村の入り口に聳え、高い建物の無い田の中に立つので、遠くからでもとても目立ちます。
大杉の傍らに設置されている説明板には南魚沼市の指定文化財であること、昔はこの道を通る人の道しるべだったことが記されていました。
冬は名にし負う豪雪地帯。
道路が雪の中に埋もれて方向がわからなくなった時など、雪原の中でこの杉は目印として大切な役割を負っていたことでしょう。
杉と祠の間に、彫刻が薄れた石の道標がありました。
辛うじて「右」がわかるくらいでしょうか、だいぶ古いようです。
説明板によると樹齢三百有余年、目通り5.5m、樹高約30m、枝張り約10m。
明治38年まで杉は二本あり、地名を「二本木」と言ったが、北側にあった一本を切り倒したとのこと。
向かって左側の枝があまり張っていないのは、もう一本あった杉の名残りかもしれません。
根元の小さな祠の中に不動明王の石仏、その前にかわいい花の鉢が二つ。
大杉の手入れもきちんとされており、集落の人々が大杉とその周囲に寄せる思いがうかがわれます。
穴地の村のお社は「穴地十二大明神」といって石川雲蝶の彫刻があることで知られており、拝殿の躍動的な龍や、どんな理由なのか未完成のままで終わった欄間の彫刻があるそうです。
拝観料無料。
目立つ案内看板も道路に建っているのですが、初めてでは神社を見つけられず、残念ながら今回は拝観できませんでした。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年2・3月号No.119 に収録した内容です。