今年も寒い時期となりましたね。外はみぞれ混じりの雨が降っています。
みなさんのお家の暖房は何を使っていますか?エアコン?ファンヒーター?こたつ?
どの暖房器具も何かしらの燃料を使用して暖めています。その燃料ですが、ガソリンや灯油価格は高止まり、来春からの大幅な電気料金の値上げのニュースもありました。
素朴な疑問。
どの燃料が一番安いの?
そこで、暖房コストについて燃料別の比較をしてみたいと思います。
比較する前に・・・
今回はエアコンとかファンヒーターとかの暖房器具ごとの比較ではなく、暖房器具で使用する燃料ごとの比較をします。
具体的には、電気、灯油、都市ガス、ペレットという4つの燃料です。
ただ燃料ごとに単位が違うので(電気はkW/h、灯油はLという具合に)単純に比較はできません。
そこで、「1MJ(メガジュール)という熱量を得るためにそれぞれの燃料でいくらかかるか=熱量当たりの単価(円/MJ)」というのを計算して比較したいと思います。
この熱量当たりの単価が分かれば、後は暖房器具ごとの効率をかけると暖房器具別のコスト比較ができると思うので、それは余力があれば次回したいな~と。
いずれも、長岡市内での使用を想定した単価で計算しています。地域によって料金プランとか単価が違うため、全国一律という訳にはいきませんので悪しからず。
何言ってるか分からない場合は、最後の結果だけ見てください(笑)。
まずは、それぞれの燃料の単価を出していきましょう!
電気の単価
まずは電気から。
計算する前提をまとめると、
電気の単位 | kWh(キロワットアワー) |
電力会社 | 東北電力 |
料金プラン・契約容量 | 従量電灯B・50A |
1ヶ月の想定使用料 (4人家族の平均的な電気使用量) | 300kWh |
基本料金(50A) | 1,650円 |
電力量料金(1kWhあたり) | 最初の120kWhまで:18円58銭 120kWhを超え300kWhまで:25円33銭 |
燃料費調整額 | 3.47円/kWh |
再生可能エネルギー発電促進賦課金 | 3.45円/kWh |
いっぱい数字ありますけどこれを使って、1ヶ月に300kWh使用時の料金を出してから、300で割って1kWhあたりの単価を出します。
計算式=基本料金+使用料+燃料費調整額+再エネ賦課金 なので、
1,650円+(18.58円/kWh×120kWh+25.33円/kWh×180kWh)+3.47円/kWh×300kWh+3.45円/kWh×300kWh=10,515円(←300kWhの使用料金)で、
これを300kWhで割ると、10,515円/300kWh=35.05円/kWhとなってこれで1kWhあたりの単価が出ました!
電気の1kWhあたりの単価(税込)は 35.05円/kWh (2022年12月現在)です。
灯油の単価
はい、続きまして灯油。
計算する前提は、
灯油の単位 | L(リットル) |
コメリさんの灯油宅配の単価 | 119円/L(税込) |
以上です。灯油はズバリ単価出てますので計算不要ですね。
灯油の1Lあたりの単価(税込)は 119円/L (2022年12月現在)です。
都市ガスの単価
続きまして都市ガスいってみましょう。
計算する前提は、
都市ガスの単位 | m3(立方メートル) |
ガス供給会社 | 北陸ガス |
供給地域 | 新潟・長岡・三条地区 |
料金プラン | 一般ガス料金 |
1ヶ月の想定使用料 | 40m3 |
基本料金(料金表B) | 856.90円 |
従量料金単価(1m3あたり) | 189.07円/m3 |
ガス料金=基本料金+(従量料金単価×使用料)なので、
856.90円+(189.07円/m3×40m3)=8,419.7円で、これを使用量40m3で割ると、
8,419.7円/40m3=210.4925円/m3→210円/m3(円未満の端数切捨て)となって1m3あたりの単価が出ました。
都市ガス1m3あたりの単価(税込)は 210円/m3 (2022年12月現在)です。
ペレットの単価
最後はペレットです。
計算する前提は、
ペレットの単位 | kg(キログラム) |
コメリさんの販売単価 | 10kgで648円 |
ペレットもシンプルですね。
10kgで648円なので、1kgあたり64.8円。
ペレット1kgあたりの単価(税込)は 64.8円/kg (2022年12月現在)です。
4つの燃料の単価まとめ
4つの燃料の単価をまとめると、
電気 | 35.05円/kWh |
灯油 | 119円/L |
都市ガス | 210円/m3 |
ペレット | 64.8円/kg |
となりました。
単位を熱量に揃えて比較
次は比較するための準備、単位を揃えます。
それぞれの燃料1単位あたりから得られる熱量が決まっています。
電気(kWh) | 3.6MJ/kWh |
灯油(L) | 36.49MJ/L |
都市ガス(m3) | 45MJ/m3 |
ペレット(kg) | 15.5MJ/m3 |
「灯油を1L燃やすと、36.49MJの熱量が得られる」という感じですね。
後はさっき求めた単価を1単位あたりの熱量で割ってあげれば、1MJあたりの単価が分かります。
燃料 | 単価 | 1単位あたりの熱量 | 熱量あたりの単価 |
---|---|---|---|
電気(kWh) | 35.05円/kWh | 3.6MJ/kWh | 9.74円/MJ |
灯油(L) | 119円/L | 36.49MJ/L | 3.27円/MJ |
都市ガス(m3) | 210円/m3 | 45MJ/m3 | 4.67円/MJ |
ペレット(kg) | 64.8円/kg | 15.5MJ/m3 | 4.19円/MJ |
はい、求まりました~。
それぞれの燃料から同じ量の熱量を得る金額を比較すると、
安い順に、灯油<ペレット<都市ガス<電気 の順となりました。
灯油が1番安くて、1番高いのは電気。
イメージ的にどうですか?
暖房費を比較するためにもう1ステップ必要
あれ?電気が1番高い??
「エアコンを暖房に使うと電気代が安い」って聞いたことありませんか?
そうなんです。
上で求めたのは、あくまで燃料別に同じ1MJの熱量を得るための単価です。
灯油や都市ガスだったらそのまま燃やすみたいな。
でも、実際に暖房として使う場合は、何かしら暖房器具を使いますよね?
ファンヒーターだったり、エアコンだったり、床暖房だったり。
同じ電気を使う暖房でも、エアコンと電気ヒーターだと暖かくする力が違うと思いませんか?
そう、それぞれの暖房器具によって暖房効率が違うのです。
なので、上で求めた単価に暖房効率を掛けてあげれば(実際には効率の逆数になりますかね)、暖房器具ごとのコスト比較ができます!
が、だいぶ長くなったので、とりあえずこのページでは燃料別の単価を比べて終わりたいと思います。
ちなみに、今回出した燃料別の単価を2022年1月時と比較するとですね、
燃料 | 2022年1月 | 2022年12月 |
---|---|---|
電気(1kWhあたり) | 32.31円 | 35.05円 |
灯油(1Lあたり) | 121円 | 119円 |
都市ガス(1m3あたり) | 153.85円 | 210円 |
ペレット(1kgあたり) | 55円 | 64.8円 |
という感じになります。
みんな値上がりしてるかと思ってたんですけど、灯油だけ少し下がってましたね。