GomameのTubuyaki Vol.154

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夢のはなし 正夢にしたい夢

 あなたの夢は何ですか?と聞かれて、語れる人は幸せです。
 たとえ如何に艱難辛苦があろうとも、何かを目標にして、その実現に向かって努力し、自分を高めることができます。
 そして、今は遥かに遠くの夢でも、その人の行く先には、未知の洋々とした風景が広がり、道が続いているのですから。
 ところで、「夢」にはもう一つ、睡眠中に見る夢がありますね。
 この場合の夢とは、眠りの最中にあたかも現実の経験であるかのように感じる、心の動きや意識のこと。
 睡眠中にもつ幻覚のこと、だそうです。

脳が見る夢

 近代になって、夢を科学的に分析する精神医学などが発達し、様々なことがわかってきました。
 夢を見るのは身体は休息状態だが、脳は強く活動している「レム睡眠」の時で、内容も覚えていることが多いとされています。
 こんなに身近な存在の夢ですが、夢のメカニズムは、夢を見る理由も含め、いまだ不明なのだそうです。

芝浜の夢

 落語に「芝浜」という人情噺があります。
 古典落語の有名な演目なのでご存じの方も多いと思いますが、夫婦の情愛を描いて、聞いた後が気持ちの良いお噺です。
 江戸の芝(現在の東京都港区芝)の近くに、魚を天秤棒で担いで売り歩く勝五郎という男がいました。
 魚の目利きは一流ながら大酒呑みで、次第に客の信用を失い、商売にも行かず女房を嘆かせ、自堕落な日々を送っていました。
 その日、女房に叩き起こされ、嫌々ながら芝の市場へ久々に仕入れに向かったところ、時間が早すぎて誰もいない浅瀬に、革の財布を見つけたのです。
 開けてみると五十両の大金が!
 これで遊んで暮らせると大喜びで家へ帰り、女房に見せて近所を呼んで大宴会をしました。
 酔いつぶれた翌日、女房から酒代の払いを相談され、革の財布の大金を使えと言いますが、女房はそんなものは無いと呆れます。
 あれは夢だったのか、と勝五郎は初めて目が覚めました。
 それから酒を断ち、死に物狂いで働くこと数年。
 店を構え、若い衆を雇うまでになりました。
 そして三年後の大晦日の夜、女房は勝五郎の前で、おまいさんを騙してすまなかった。
 もうおまいさんは私がいなくても大丈夫。
 離縁でも何でもしておくれと革の財布を出し、正座し頭を下げるのでした。
 勝五郎はあらたまって女房に感謝し、夫婦はより強く結ばれた、ということです。

初夢に見たい夢

 元日の夜に見る夢を初夢と言うそうですが、その年を占うとされているので、縁起の良い夢を見たいものですね。
 昔から一富士、二鷹、三茄子と言われています。
 一説に富士は無事、鷹は高い、で鋭い爪でチャンスを掴んで高く舞い上がる、茄子は成すに通じるとか、語呂合わせみたいですね。

この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2021年冬号No.154 に収録した内容です。

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