右利きと左利き 選べるとしたら
テレビのニュース画面で市井の人の左手使いが何気なく映っていたり、食事処では器用に左手で箸を操る人を見かけたりします。
世の中に左利きが多くなったせい?そんなことは無いだろうと思いつつ、右利きからすると、どうしても印象が強く残ってしまう左利きの動作。
しかし、左右どちらでも、使いやすい利き手を使うのは使い手の自由ですよね。
よそ様のしぐさを違和感があるとか思うのは、傲慢なことかもしれません。
なぜ右利きと左利きがあるのかという疑問
日本を含む世界各国で、右利きと左利きの人の割合はおよそ9対1との調査結果があります。
人種や環境に関わらず、世界中で十人に一人が左利きであり、また古代の人骨から利き腕を調べても、割合は現代と変わらないそうです。
左利きは必ずしも遺伝しないことも、周りを見聞きするとわかります。
代々左利きが多い家系の話はあまり聞きません。
それなのにひょっこりと現れる左利きの子供たち。不思議です。
利き手に関する様々な説のうち、有力な説に「脳の言語機能説」があります。
多くの人は身体の右側をつかさどる脳の左半球に言語の機能が集中しているが、左利きの人は右半球、左半球とも片方にだけ集中しないというもの。
この説でも異論があり、こんなに身近なことなのに未だ解明されません。
左利きは天才が多い?
左利きは器用だ、頭が良い、天才が多い説はよく聞きますが、信憑性はあるのでしょうか。
よく引き合いに出されるのが、オバマ前大統領から遡る5代のアメリカ大統領のうち4人が左利きであること。
10%しかいない左利きにしては多いと思われますね。
エジソン、アインシュタイン、ビル・ゲイツもアメリカの偉大な左利きです。
科学者ではダーウィン、ニュートン、キュリー夫人。
芸術家にはミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、レンブラント、ピカソ、大バッハ、モーツァルト、ベート-ベン。
日本人は矯正されたので殆ど伝わっていませんが、夏目漱石がそうだと言われています。
左利きが増えてきた理由
以前は左利きだと、世の9割の人が便利にできているシステムに同化した方が楽との考えから、右利きに矯正があたりまえでした。
現在では持って生まれた個性と捉え、ポジティブに考える方が多いそうです。
鋏など左利き用の道具も増え、世の中の理解が進んでいるようでも、まだまだ生活に不便なことが多々あると感じる左利きの方々が多いようです。
英国では誰でも安心して使える道具を推奨する「左利きの日」が8月13日に制定されています。(日本では2月10日=0210=レフト)
左利きの超有名な家系がありました。
ジョージ6世から曾孫のウイリアム王子に続くイギリスの王室です。
映画「英国王のスピーチ」は左利きに生まれたジョージ6世が主人公でした。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2017年8・9月号No.132 に収録した内容です。