あの童謡・あの名曲に隠された知られざる真実とは?
耳で覚えた歌の歌詞、意味が分からないと思いつつ、ずっと歌っていて、ある時本当の歌詞を知り、長年の謎が解けたと密かに納得したこと、みなさまには経験はありませんか。
これが大勢で歌う応援歌や合唱なら、一人だけ間違った歌詞だったわけで、そこは内心赤面するところかもしれません。
実は深く人生を語っている名曲
イギリスの歌手ロッド・スチュワートが独特のハスキーボイスで歌う「セイリング」。
耳にすれば、すぐあの曲と思い出されるのではないでしょうか。
セイリングは「航海」という意味なのでヨット遊びの歌かと思いきや、実は「臨終の近い私は直きにあなたの許に帰る」と神様に呼びかけているのですね。
もう一つ、アメリカ民謡の「朝日のあたる家」は、英国のグループの大ヒット曲。
歌詞に列車とあれば、てっきり旅立ちの歌と思っていたら、元歌はなんと娼婦に身を落とした姉が、こんな女になるなと妹に伝えてほしいと嘆いている歌。
今はもう歌わなくなった「ちあきなおみ」の絶唱はまさしく感動モノです。
英語に弱いと、的外れな思い込みをしてしまいます。
♪とおりゃんせ とおりゃんせ ここはどこの…
代表的なわらべ歌である「通りゃんせ」発祥の地は埼玉県川越市の神社なのだそうで、地元の言い伝えでは七つの祝いに警備の厳しい城内の神社へお参りする慣習があり、行きよりも帰りはさらに厳しく取り調べられたので、帰りは恐いという歌になったのだとか。
かつてはこの歌が信号機の青の時に流れていたことがあったと思います。
考えたら、行きは良いが帰りは怖いよなんて鳴らされながら渡っていたんですね。
そちらの方が怖そうです。
「かごめかごめ」。
研究者によると、江戸中期から各地で歌われていた古い遊び歌。
かごめは囲めが訛った言葉、夜が明けたら晩じゃなくて朝でしょ、後ろの正面て、後ろに正面があるの?とギャグの面白さもあるそうです。
裏の意味にはことさらに意味深な諸説があり、流産説や遊女の境遇説、処刑される前夜の囚人説などは陰惨で、とても子供には聞かせられない話ばかり。
果ては徳川埋蔵金のありかを暗示した説まで。
野口雨情作詞の「シャボン玉」。
女の子はシャボン玉遊びが好きですね。
楽しい遊びなのに哀愁漂うメロディです。
二番の歌詞が、作詞者の生まれたばかりの長女を亡くした悲しみを表現した説があります。
―シャボン玉消えた 飛ばずに消えた 産まれてすぐにこわれて消えたー 確証は無く、うがち過ぎの説もありますが。
真実か考えすぎか、為にするコジツケか
何気なく歌い、誰でも知るわらべ歌や童謡は単純なだけにいろいろな解釈ができ、それがまた好奇心を刺激するのかもしれません。
これからも都市伝説めいた新、あるいは珍説が出てくるでしょうが、できたら明るく楽しい説がいいですね。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年7月号No.123 に収録した内容です。