長岡市城岡3丁目「伊東道右衛門の碑」の百日紅
サルスベリは夏から秋にかけて、開花期間が長いので、「百日紅」の異名があります。
フリルのついた花びらが、房ごとに群生して咲き誇る姿は、たいへん可憐で美しく、好きな人も多いようですね。
猿も滑るなんて、あんまりな名前をつけられてしまっていますが、名前のとおり樹皮が白っぽくなめらかなので、何となく女性的な感じを受けるのではないでしょうか。
庭を彩る花木が少ない夏は、目立つこともあり、重宝される樹木でもあります。
北長岡駅方面から栖吉川を改修橋で渡り、福島江のほとりの住宅地に建つ「伊東道右衛門の碑」は、戊辰戦争の時、この辺りで一人奮戦した長岡藩士を顕彰した石碑で、「長岡藩忠臣碑 戦死士伊東君碑」と刻まれていました。
説明板によると、戊辰戦争で長岡城が落城した1868年、すでに62歳の老齢だった長槍の名人伊東道右衛門は、伝来の甲冑を身に付け、鉄砲で武装した敵とこのあたりで戦い、戦死したとあります。
鉄砲と槍では勝敗は明らかではあるけれど、武士の矜持を通して倒れた老戦士の心意気を、心に留めた人々が多かったのでしょう。
以前この石碑は、現在の場所から少し離れたところにありましたが、道路工事の際、移されたものと思われます。
旧国道ができる前は、この福島江沿いの道が黒条方面への幹線道路で、バスも通っていたなどは、ずいぶん遠い話しになりました。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2020年秋号No.149 に収録した内容です。