新潟市西蒲区東中 圓明寺旧墓地の黒松
新潟市に合併する前は西蒲原郡中之口村でした。
さすがに蒲原平野の中央に位置する穀倉地帯ですね。
広い美田が見渡すばかりに続きます。
「中之口村指定文化財」の黒松は、小学校にほど近く、高野宮の八幡様の参道にありました。
参道は長く,車道の便利のためか途中で分断されています。
そのため目的の松が見つからず、危うく断念するところでした。
やっと見つけた松は、失礼ながら説明板が無ければ、とても由緒や歴史のある名木には見えず…。
木肌はきれいなのですが、幹が途中で逆「く」の字に曲がり枝もスカスカ、と悪口めいたことを言ってたいへん申し訳ありませんでした。
実はこの松は昭和60年の大雪で北側に倒れたため、引き起こして支柱を立てるなどして、やっとダメージから立ち直った苦難の木だったのです。
根元の曲がりや、枝振りが寂しいのも、道理でした。
今は支柱は取り外されているので、そのような痕跡は感じられません。
樹齢は推定400年、太さ2.85m、高さ16.4m。
1509年ころ長野県から12名の信者とともにこの地に入植した僧を開基として、地域農民と喜怒哀楽を共にした歴代の住職が眠る墓地に手植えされたと伝わると、説明板にあります。
参道に立つ黒松には、これからも村の象徴として元気でいてほしいものです。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2018年10・11月号No.140 に収録した内容です。