長岡市下来伝(旧栃尾市) 下来伝の大杉
堂々たる風格、巨樹と呼ぶにふさわしい杉の古木です。
根元周囲9.3mを、太い注連縄がぐるりと掛かる姿は、樹木ながら横綱の雄姿を連想するのに不足はありません。
山間の集落の中、道路から小高く石垣が積まれた場所に神木として聳えたち、根元にはさまざまな形の道祖神の石造群が、折り重なるように並んでいます。
男女二神がお雛様のように刻まれている道祖神は微笑ましく、手をつないで、仲良しをアピールしているような像もありました。
大杉の根元には「ほだれ大神」の額の掛かる小さな祠に、ご神体が祀られています。
奇祭として有名な「ほだれ祭り」は、もともと、五穀豊穣を祈るこの下来伝の村のお祭りだったのですが、現在では毎年 三月の第二日曜日に、大きなほだれ様に若いお嫁さんを乗せて、男衆が村の中を練り歩く祭りの態様が観光客の人気を集めて、盛況とのことです。
樹高31m、樹齢800年。昭和55年、当時の栃尾市の天然記念物として指定文化財になっています。
根元から大きく二股に分かれていることから、地元の人たちから安産や婦人病にきくとされ、霊験あらたかな大杉として信仰されてきたそうです。
昔は関東方面からの参拝者もあったと伝えられており、大杉と共に歩んできた雪深い山中の村の奥深さにひと時、思いを馳せました。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2018年8・9月号No.139 に収録した内容です。