長岡市花井町 花井神明社の大ケヤキ
花井町は長岡市の左岸、蔵王橋から与板方面へ向かう県道22号線沿いにあります。
下川西小学校や郵便局のある一角を左手に進んだ先に花井の集落が広がります。
おそらく長岡のどこにでもありそうな典型的な農村風景が、静かで落ち着いた生活の営みを感じさせます。
花井の鎮守、神明社は村の西の外れにありました。
さして広くない境内に立つ何本かのケヤキの大木。
道路側に並ぶ二本のうちのひときわ大きな一本が、注連縄は無いものの、目的のケヤキでしょうか。
樹高15m、目通り幹廻り5.4m。樹齢は定かではありませんが、木肌のひび割れやいくつかの洞を持つことからも、古さを感じさせます。
途中で三本に別れた幹の、大きな幹一本が途中で折れたのか、切られています。
根元近くの、おそらく道路側に張り出して邪魔な大きな枝の切断痕を、トタン板で保護してありました。
たぶん、道路拡張の際に境内が削られたのか、ケヤキは道路ギリギリに立つことになり、根元がアスファルトに直に接していますので根は舗装した道路の下に伸びているのでしょう。
ケヤキにとっては気の毒な有様ですが、大切な木を伐採せず残しながら、生活の便利を考えた結果の選択なのかもしれません。
鳥居の脇には、赤い頭巾と前掛けを纏った二体の石の仏様が祀られている小さな祠がありました。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2018年6・7月号No.138 に収録した内容です。