新潟市西蒲区松野尾(旧巻町) 仙城院のスダジイ
旧西蒲原郡巻町の上堰潟(うわせきがた)公園にほど近い松野尾の集落にある仙城院は、真言宗の名刹として知られています。
道路に面した正門のすぐ左側に威容を誇るかのように立つ一本の巨樹。
新潟市の天然記念物に指定されているスダジイです。
スダジイは暖地性の常緑広葉樹で、日本海側では柏崎市石地や佐渡が天然林の北限になります。
教育委員会による説明板には根廻り6.5m、目通り幹囲い4m、樹高11m、推定樹齢200年以上とありました。
木全体が赤茶色に見えるのは、葉の裏が赤胴色のためのようです。
枯れているわけではないのですね。
この木の樹勢はまだまだ旺盛とのことですので、秋のどんぐりのころはどんなにか多くの実が落ちることでしょう。
訪れた日は、明日が境内のお地蔵様の縁日だそうで、檀家の当番の方が旗を立てるなど準備をしておられました。
ちょうど道路を挟んだ向かいの松野尾保育園の下校(というのでしょうか)時間と重なり、園児の列の中から「何してるのー!」と男の子の元気な声が。
知り合いではないようでしたが、「明日のお祭りに来てね」とのやり取りが、地域の人たちのあたたかな繋がりを偲ばせます。
仙城院は書物を多く蔵し、良寛が何度も逗留して詩歌を詠んだお寺であり、境内に「仙城院良寛碑」があります。
境内はさほど広くはありませんが手入れが行き届き、スダジイの他にも古木や大木が何本もあります。
上の写真は槇(マキ)で、1709年建立の本堂右側に立つ老木です。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2017年11・12月号No.133 に収録した内容です。