新潟市西蒲区峰岡 旧入徳館小学校のタブの木
「米百俵」の故事は、贈られた長岡藩が有名ですが、贈った側の三根山藩の名前はあまり知られていませんね。
旧西蒲原郡巻町の峰岡は、その三根山藩があったところです。
古いタブの木がある入徳館小学校は藩校を引き継いだ伝統のある学校でしたが、昭和53年に閉校になりました。
タブの前に設置されている「新潟市指定文化財天然記念物」の説明板には、「樹齢200年、根廻り5m、幹廻り4m。高さは小学校があったころは10mはあった
が、廃校後新潟市の野外研修所に建替えられた際、樹勢が衰えたため何度も再生処置が施され、辛うじて根元の幹が生き残り、現在はやっと新しい枝が伸びて再生の
兆しがみられるようになった」とあります。
正門脇に立つタブの木は柱に支えられ、生きてきた長い歳月を物語る幾つもの瘤のある幹の裏側は、大きな空洞を樹脂で保護されるなど満身創痍、痛々しくもあります。
環境の変化で枯れ死寸前のところを、人々の懸命な努力でやっと再生したタブの木。
小学校のみならず地域のシンボル的な、大きな存在なのかもしれませんね。
クスノキ科のタブはイヌグスとも呼ばれ、北部本州から南の温暖な海岸近に自生します。
高木になり、艶やかな葉を持つ常緑木。
内陸の長岡あたりではあまりなじみが無い木でしょうか。
黒紫色の小さな実は、なんとアボカドに似た味で、果肉は少ないものの、実の中の種が大きいことも同じとか。
この実は小鳥の好物だそうです。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2017年3月号No.129 に収録した内容です。