木を訪ねるVol.128 ~長岡の木たち~

木を訪ねる

柏崎市西山町石地 御島石部神社のシイ樹叢

柏崎市西山町石地 御島石部神社のシイ樹叢1

 

 出雲崎町から柏崎方面へ、日本海を眺めながら走る国道352号線沿いの石地は、海水浴でおなじみの海の町ですね。
 御島石部(みしまいそべ)神社はその古い町並から、背後の丘陵へ緩やかな坂道を登った先にあります。
 350m続くという石畳の参道は、切通しの石垣、照葉樹が次々に現れ、奥に進むほど雪の深い内陸部とは異質な、南国的な雰囲気になります。
 社殿の脇の巨木のスダジイは神木なのでしょうか、右の写真の通り根元はうねりながら立ち上がり、よくぞ太古から生きてきたと思うほど何とも怪異な様相です。
 このような大木のシイが、神社一帯の丘陵20アールに十数本あるそうです。

柏崎市西山町石地 御島石部神社のシイ樹叢2

 シイは本来、日本の中部以南の温暖な地に自生する木。
 この神社のシイの樹叢は対馬暖流の影響を受ける本州日本海側の自生林の北限になり、たいへん貴重なもので、新潟県指定文化財、天然記念物に指定されています。
 かつて海岸近く一帯に広がっていたであろうシイの原始林は、人の営みによって消えてゆきましたが、この樹叢だけが神聖な神社の杜として開発を免れ、残ったのかもしれません。

柏崎市西山町石地 御島石部神社のシイ樹叢3

 社殿奥のシイの密林に分け入る勇気はありませんでしたが、神社横の公園から鬱蒼とした森が望めます。
 神社の拝殿の彫刻の数々は、石川雲蝶と同時代に活躍した小林源太郎という名工によるもの。
 他にも諏訪の名人、立川和四郎の作品もあり、興味のある方にはたいへん見応えがあるそうです。

この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2017年1月号No.128 に収録した内容です。

o-goshi

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