長岡市古正寺・諏訪神社の大ケヤキ
商業施設の進出や住宅地として、近年発展めざましい長岡市の北西部。
その地域にある古正寺の諏訪神社界隈も、往時とは環境がずいぶん変わりましたが、神社の場所と境内に何本もあるケヤキやスギの大木群は、田畑に囲まれていた昔と変わらない姿を見せているようです。
長岡市指定文化財・天然記念物に指定されているこの大ケヤキは、樹齢700年、樹高20m、幹周り8.1m。
いくつもの洞を持ち幹に石を抱え、主幹は途中で折れるなど満身創痍でありながら、どこか明るく、爽やかさまで漂わせています。
大きく枝を張り、葉を青々と茂らせた姿は、まだまだ盛んな樹勢を感じさせます。
その理由は、ちょうど来られた近所の方とのお話しで知ることができました。
清掃の行き届いた境内と、大ケヤキの手入れは古正寺の住民によるもの。
少し前、大ケヤキが小枝もまばらで葉も少なくなり、元気がなくなった頃があったそうです。
町内会では樹医を呼び、活性化の薬の注入、枝払い、空洞に樹脂の蓋をするなどの手当てを毎年行い、ようやく現在のような姿に戻ることができました。
70代後半に見えるその方の子供のころは、大ケヤキの洞の中でのままごとや木登りなど、村の子供たちの良い遊び相手だったそうです。
「今は子供も少なくなり、ここで遊ぶ子はいませんけどね」と言われていましたが、町内の人々の誇りであり、大事に思われている限り、このケヤキはこの先ずっと生き続けるのでしょう。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年12月号No.127 に収録した内容です。