長岡市大口 於保久知神社の大欅
国道8号線バイパスを中之島から見附方面へ向かうと、左側に見えるこんもりと小高い林。
於保久知(おおくち)神社の境内にあるケヤキの木たちです。
大口地区はれんこんの名産地として知られていますが、古い由緒を誇るこの神社もハス田と水田の中にあります。
境内の何本ものケヤキの中で、御神木はひときわ高くそびえるさすがの風格。
神社入り口に設置されている大口町内会による説明板を読むと、1988年の環境庁の全国調査で巨樹巨木に認定されたとのことですが、県や市の天然記念物には指定されて
いないようです。
しかし、実に立派な木です。
樹高:約20m、幹周囲:6,6m。
1293年に植えられた伝承があり、樹齢750年以上。
鎌倉時代から悠久の時間を生きてきたのですね。
いつの頃か落雷にでも遭ったのか、拝殿側に大きく裂けた痕があり、下部が洞になっていました。
裂け目の縁は樹皮に覆われているものの、二つに分かれた幹を支え、今なお枝を大きく張り、緑の木陰を作っています。
巨樹・古木と言うに誠にふさわしい名木であると思います。
平成24年、枯れた枝を切ったところ、中から戊辰戦争の時の銃弾が出てきたそうです。
このあたりは攻防の激戦地で、神社にまで被害が及んだ証拠になるのでしょう。
戦乱にも巻き込まれたけれど、今このケヤキは向かいの保育所の子どもたちの元気な声を聞きながら、ほっこりと平和な暮らしを楽しんでいる、そんな想像が浮かびました。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年7月号No.123 に収録した内容です。