南魚沼市大崎の「てんまる杉」
旧南魚沼郡大和町。国道291号線の大崎トンネルを過ぎて、大崎の集落に通じる旧道と交わる地点に「てんまる杉」があります。
見渡す限りの田園風景の中、ゆるいカーブの場所なのでよく目立ちます。
老木の故か、何本かの支え棒や枝の切り痕も目につき、痛々しさを感じるような風情もあります。
南魚沼市指定天然記念物で、樹齢300年以上、目通り5,3m、高さ25mと説明板にありました。
名前の「てんまる」とは、丸いことを表現した手まりからてんまり、てんまるになったそうです。
樹勢旺盛だったころは枝が茂り、子供の遊び道具の手まりを連想するくらい全体がこんもりとして、丸い形をしていたのでしょう。
現在の姿は何本もの太い枝が切られ、少々スカスカで、名づけの語源にはピンときません。
国道の反対側の主幹には大きな傷を塞ぐ銅版が縦に長く処置がされていました。
満身創痍といったところですが、大事にされている様子が伝わります。
一方、国道沿いの宿命とは言え、木にとって車の排気ガスはいかがなものか、老杉には気の毒ではありますね。
木の周りには大小様々な石碑や石仏が集められています。
立派な記念碑の内容を確認したかったのですが、雑草が元気よくはびこり、分け入ると、あの地を這う小動物に遭遇するような予感がして断念。
大崎の近くには、八海山神社やスキー場、八海山酒造が経営する「魚沼の里」があります。
日本酒を貯蔵する雪室見学と試飲、敷地内にはそば店、菓子店、少し離れた所には地ビール醸造所、レストランなどがあり、県外ナンバーの車も多いです。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年5月号No.121 に収録した内容です。