三島郡出雲崎町・小木ノ城のケヤキ群
当社から蔵王橋にさしかかると、なだらかな西山丘陵が眼の前に広がります。
長岡北部に住む人には見慣れた風景ですね。
西山の扇のような幾つかのピークの中でやや高く見える三角形の山が小木ノ城山です。
山頂のケヤキを見に、旧三島町蓮花寺の集落から小木ノ城を越えて出雲崎の海に至るルートを車で行ってきました。
狭い道路はハイキングコースになっているようです。
中世山城の遺跡でもある山頂はよく整備され、鬱蒼としたケヤキの老木も自然林の割には手入れがされています。
それも道理、このケヤキ約80本は、実は出雲崎魚協の所有で、漁師が海上から船の位置や漁場を確認するための『オヤ山』として、古くからケヤキの樹形が重要な目印だったのだそうです。
イタヤカエデ、ヤマモミジ、エゾエノキなど落葉広葉樹のほか300種の樹叢は新潟県の天然記念物の指定。
平野からも海上からも目立つ屹立した小木ノ城は、かつては日本海側でも有数の電波基地でしたが、航空路監視レーダー施設やNTTの電波中継所は他へ移転し、山頂のすぐ下に撤去後の跡地が残っています。
海の向こうには佐渡島、ケヤキの樹間からは中越地方の平野や福島県境の山々が一望できるので、訪れるには見晴らしの良い落葉のころや早春が良いかもしれません。
「新潟県森林浴100選」の地でもあるので、ハイキングにいかがでしょうか。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年4月号No.120 に収録した内容です。