長岡市福島町の大ケヤキ
大ケヤキは、長岡市の北東、国道8号線長岡東バイパスの福島町へ渡る交差点からもそれとわかります。
家々の屋根を越えてひときわ高く緑を茂らせる大きな木が、平成2年指定の長岡市指定文化財・天然記念物の「福島の大欅」です。
樹高26m、目通り5,2m、樹齢400年から500年。
てっぺんは枯れ枝が目立つもののまだまだ若々しく、樹皮も痛みは目立ちません。
500年も生きてきて未だ余裕だなんて、人間の一生と比べると、樹木の生命力と長命には驚嘆するしかありませんね。
隣のお堂は「閻魔堂」で、火事で焼けた跡に平成7年に再建されたもの。
良寛さまとの交流で有名な貞心尼は30歳のころから10年余この草庵に住み稲葉・亀貝、富島のあたりを托鉢して回ったそうです。
このころ貞心尼は最晩年の良寛を師と仰ぎ、最期を看取っています。
良寛の略伝や和歌をまとめた「蓮の露」の作者として広く知られる貞心尼を偲んで、お堂の周囲には多くの歌碑があります。
その中の一番大きな歌碑に彫られた和歌。
朝餉(あさげ)たく ほどは夜の間(ま)に吹きよする 落葉や風の 情(なさけ)なるらむ
貞心尼の朝の食事の支度に貢献した落ち葉は、もしかしたらこの大ケヤキのものだったかもしれませんね。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2016年6月号No.122 に収録した内容です。