三条市帯織 本龍寺の白椿
白椿の木を訪ねた3月下旬、本堂の裏の日陰に立つ白椿の根元近くには、まだ残雪がありました。
県内では降雪の少ない平野部で、記録に残るほどの大雪だった今冬、江戸時代中期に植えられたという古木へのダメージを案じていましたが、さすが長い歳月を生き抜いてきた木。
春の穏やかな日差しのもと、少し小ぶりの白い花を枝全体にいっぱいに咲かせていました。
高さ9.75m、周囲1.28m、樹齢200~250年。
ヤブツバキの園芸種ですが、品種名は不明です。
植えられたいきさつや時期などはわからないようですが、折れやすい椿の木が10m近くまで成長し、200年を超える樹齢を重ねることに、現在十八代を数える本龍寺の代々の住職に大切にされ、愛されてきたことが伺われます。
五代前のご先祖が小窓から見える白椿の花をこよなく愛された逸話、近くの竹藪を椿に近づけるなとの言い伝えや、枝に邪魔な屋根材の一部を切り取るなど、お寺と椿との長い関わりがわかります。
当日も庭師の方が作業をされていました。
このような努力があって、次の代にも椿の木が守り伝えられていくのでしょう。
現代風の華やかな大きな花ではなく、小さめの花をうつむき加減に咲かせる様子はいかにも清楚で、古風な趣きがあります。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2018年4・5月号No.137 に収録した内容です。