木を植える人
東西を山に囲まれた長岡は、少し市街地を外れると森や林の豊かな自然があります。
森の恵みである春の山菜取り、秋のキノコ採りや木の実拾い。
青葉の山を歩くだけでも、リフレッシュしたような爽快な気分に浸ることもできますね。
とは言え、森の中ではアブやブヨ、蜂、時にはヘビなどという有難くない生き物や、漆かぶれなどに遭遇することもあり、山の苦手な方もおられます。
それでも山林の自然から、私たちは大きな楽しみや癒しを得ているのではないでしょうか。
森林のなりたち
日本には2,500万ヘクタールの森林があるそうです。
数字ではピンときませんが、国土面積の7割近くが森林と言われればその広大さがイメージしやすいかもしれませんね。
森林には木材の生産のために人の手で植え育てられた人工林と、自然の環境の中で発芽し育った天然林があります。
森林面積の5割を占める天然林はブナやナラなどの広葉樹が主で、森の恵みの多くは天然林から、といえるかもしれません。
森林面積の4割の人工林は建築材として有用な杉や松などの針葉樹がほとんどで、植林して30~50年で伐採し、再度植林されます。
このサイクルでここ30年、人工林は減っていませんが、林業の衰退で山の荒廃が問題になっているそうです。
木を植えた人たち
「木を植えた男」は絵本の名作としてつとに知られています。
ジャン・ジオノというフランスの作家の小説が原作ですが、貧しい村の荒地に黙々とどんぐりを植え続け、やがて緑の森が蘇った時、豊かになった村人に、名誉や称賛も報酬も求めなかった男の物語。
実在の人物に、「ジョニー・アップルシード」がいます。
本名はジョン・チャップマン。
アメリカでは誰もが知るほどの伝説の人物のようですね。
西部開拓時代、裸足に麻袋をコート代わりに着、壊れた鉄製の鍋をかぶるという異様な風体で、各地にリンゴの木を植えてまわったと伝えられています。
リンゴは育ちやすく実は美味で栄養豊富。
保存もきき、未開の地を目指す人々には貴重な食糧になったのでしょう。
日本では、太平洋側から日本海を桜の並木で結ぶ夢の実現に、2000本の桜を植えた旧国鉄バスの車掌さんがいました。
若くして難病で亡くなりましたが、今でも志が受け継がれているそうです。
他にも各地に木を植えた無名の人たちがいて、治水治山に美しい景観に、貢献していると思われます。
次代のためのボランティア
森林は地球温暖化防止の救世主、切り札と言われています。
森造りや維持にボランティアで植林に参加することができますし、そこまでは、と思う方は税金の控除もある「緑の募金」や「鎮守の森のプロジェクト」に応募はいかがでしょうか。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2018年12月号No.141 に収録した内容です。