冬の夜長は映画を見よう
19世紀末に写真から映画に繋がる技術が開発されてから現在まで百有余年。
写真そのものは1820年代に発明されたとされているようです。
写真から、動く写真とも言える映画へ進化する段階には、あの発明王エジソンも箱の中を覗くと動画が再現できるキネトスコープという装置を発明しています。
しかし、これは構造上一人ずつしか見ることができませんでした。
同じころにフランスのリュミエール兄弟が、多勢が同時に見ることができるスクリーンを考案したのが、映画の始まりとされています。
記録と再現 映画の役割
映画が作られる目的の一つに、有りのままを伝え、記録するドキュメンタリーというジャンルがあります。
文章で表現するよりも画像で見る方が、より的確に相手に伝わるでしょうね。
演劇・音楽・文学・絵画・映画表現を駆使して事物を再現するフィクションも、映画の特徴がいっそう発揮できるジャンルです。
映画は、それらが集約した総合芸術と言われます。
かつてはテレビの普及が、映画館衰退の大きな原因でした。
今は、封切りからあまり間をおかずビデオ化され、多くの作品が自宅で見ることができるようになりました。
映画は斜陽産業といわれますが、映画そのものは見る形態を変えながら、廃れることはないのかもしれません。
でも、大きなスクリーンで観客一体で同じ画面に集中する映画館の雰囲気は独特のもの。
映画館に足を運び、お金を払い、画面に身を委ねる魅力のある作品ならば、ぜひ映画館で鑑賞したいものです。
寅さんもジョン・ウエインも
映画の黄金時代はアメリカならば1930~40年代と言われます。
ずいぶんと大昔ですね。
「風と共に去りぬ」が作られた頃です。
その時代は西部劇も人気を集め、ジョン・フォードが監督し、アメリカの国民的大スター、ジョン・ウエインが主演する西部劇の名作が多く制作されました。
正義が勝ち、悪成敗される筋立てはわかりやすく、面白く、このころのアメリカ映画の輝きが想像できます。
日本映画の名作群の中で、親しまれた映画ならば、26年間に48作が公開された「男はつらいよ」シリーズといわれます。
ある程度の年齢の方ならば、一度は映画館で見たことがあるかもしれませんね。
キャラ立ちした脇役たちと寅さんが毎回失恋するマドンナに、老若男女が安心して楽しめる映画でした。
映画館からスマホへ
You Tube(ユーチューブ)が話題を集めています。
詳しくは知りませんが、動画をスマホのサイトに投稿し、閲覧数に応じて報酬が支払われる仕組みで、某投稿者(YouTuber)の年収は10億円超だとか。
閲覧しやすいスマホからとはいえ、映画やテレビを超えて見たいと思う動画はいかなるものか。
映像の世界は今後、どのような進化をみせるのでしょうか。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2019年11・12月号No.146 に収録した内容です。