燕市国上のヤマザクラ
長岡方面から弥彦山を見ると、その隣に、寄並んで国上山(くがみやま)が見えます。
広大な蒲原平野と、豊かに水を湛える田の中に屹立する二つの山は、新潟の自然を代表する見慣れた風景です。
また、国上山は弥彦山と同様信仰の山であり、中腹には国上寺があります。
古い由緒のお寺ですが、近年、若者向きのイラストの絵巻を本堂に設置して、物議を醸したこともあったようですね。
国上寺の駐車場脇の道路を入ると、木々の続くなだらかな遊歩道兼車道になります。
植生されたと思しき何種類かの桜の並木に交じってヤブツバキの赤い花、日陰には遅いコブシの白い花が咲き、枯れた藪の中には雪割草やカタクリの花の群落が、そこかしこに見られます。
ヤマザクラの開花にはまだ早く、つぼみがやや膨らんだくらいでしたが、満開ともなれば、訪れる人の目を、きっと楽しませてくれることでしょう。
ヤマザクラの花にはソメイヨシノや八重桜の華やかさはありませんが、慎ましやかで凛とした趣きが感じられます。
風に舞う花吹雪や、落花の花びらのじゅうたんも、また美しいですね。
山を下りると、「道の駅国上」の建物があり、農産物の直売所と、隣には日帰り温泉の施設。
なかなか良いところのようです。
この記事は当社瓦版 ほっとぽっと2021年春号No.151 に収録した内容です。