それは大学時代に遡ります。
通ってた大学の図書館って基本的に人影がまばらで。
混んでるのは新聞とか一般の雑誌が置いてある所だけ。
たま~に混んでいる時があるんですけど,それは試験の前とか,
図書館にしかない本で調べなきゃいけない課題とかそんなくらい。
普段はガラガラ。
おかげで個人的には憩いの場で,試験前の混んでいる時は
『いっつもは図書館来ないのにこんな時だけ来やがって~』と
心の中で思っていました(心の中でだけですよ)。
そんな空いている図書館をよく利用してたんですけど,
その図書館がかっこいい建物で~ではありません(笑)。
雑誌で『日経アーキテクチュア』という本屋さんでは売っていない
専門雑誌が図書館にあって。
その中に『昭和モダン建築巡礼』という連載がありました。
本にもなっています。
ざっくり言うと戦後のモダニズム建築ばっかり取り上げている連載です。
それを見てこの頃の建物を『なんかいいな~』と感じてて。
ただ,『何で良いと思うのか?』は分かりませんでした。
今でもモダニズムと言われてもよく分からないし。
分からないけど,なんかいいな~というだけで雑誌が出るたびに見てました。
そして,つい先日。
『いいビルの写真集WEST』という本を見つけて。
この本に『なんかいいな~』の理由が書いてありました。
以下,引用させてもらうと,
『本書に紹介するビルたちには,日本人らしい生真面目さと,
未来を信じる底抜けの明るさがあります。現場はまだまだ
職人の手仕事を必要としました。業界は建築の工業化を推し進めますが,
黎明期の工業製品は試行錯誤でどこかぎこちなく,
人間味すら感じさせてくれます。
超高層ビルの登場とともに失われていく,この時代だけがもっていた,
手仕事と工業製品の幸せな関係。』
たぶん,人間味のある手仕事と工業製品の幸せな関係に惹かれて
『なんかいいな~』と思ったのかと。
だから,時代的に合ってるかは分かりませんが,長岡なら,
中央図書館よりも
互尊文庫の方が好きだし,
厚生会館が壊された時は寂しかったし,
今の市役所や前の市役所よりも,
前の前の市役所(今の柳原分庁舎)に魅力を感じるし。
段々とこの時代の建物が壊されてしまうのは,とても悲しいです。
使い勝手や強度的な問題もあるのでしょうが・・・。
でもね,『いいビルの~』のような見方だと長岡市の駅前にもいっぱい魅力的な
建物が潜んでいると思う今日この頃。
建物の見方が変わりますヨ。
まあ,『こんなのただの汚い建物じゃん』というのも一つの意見。
要はどう感じて捉えるかだと思います。
けん